夏のお寿司
田舎寿司をアレンジ"野菜寿司"

田舎寿司をアレンジ"野菜寿司"

高知の郷土寿司として人気の田舎寿司をアレンジした寿司です。種の中でも、里芋の一種のはす芋は欠かせません。この機会に、ぜひ食べてみて下さい。夏の暑い日でもつい箸が伸びてしまう、華やかでおいしいお寿司をご紹介します。

“野菜寿司”のつくり方

野菜の漬物とこんにゃくを寿司ダネにした夏向きの一皿。漬物の色と食感、季節感などを考えて、5~6種を盛り合わせるときれい。締めご飯にもおすすめです。

材料材料 (6種×各3個分)

★ 基本の酢飯(2合分)
・ 米 2合
・ 昆布長さ6~8cm
・ 酢1/4カップ
・ 砂糖 大さじ1と1/2
・ 塩小さじ1
★ こんにゃく煮
・ こんにゃく幅3cm
・ だし3/4カップ
・ 醤油大さじ1
・ 砂糖大さじ1
★ はす芋の甘酢漬け
・ はす芋80g(茎の部分)
・ だし大さじ1
・ 酢大さじ1
・ 砂糖大さじ1/2
・ 塩少々
★ みょうがの甘酢漬け
・ みょうが2個
・ 酢大さじ2
・ 砂糖大さじ1/2
・ 塩少々
なすの漬物3切れ(薄い斜め切り)
きゅうりの漬物3切れ(薄い斜め切り)
青じそ適量(細切り)
焼き海苔適量(細切り)
高菜の古漬け適量(葉の部分)

1基本の酢飯をつくる

米は研いでザルに上げ、炊飯器に入れて2の目盛りまで水を入れ、昆布を入れて炊く。酢、砂糖、塩を混ぜ合わせて合わせ酢をつくり、ご飯が炊き上がったら昆布を外して、水で湿らせた飯台に一気に移し、合わせ酢を回し入れる。しゃもじでほぐすように混ぜ、うちわで冷ましながら切るように混ぜ、ツヤをだす。乾燥しないように、使うまで水でぬらしてかたく絞った手拭いや布巾をかけておく。

基本の酢飯をつくる
基本の酢飯をつくる
基本の酢飯をつくる

2こんにゃく煮をつくる

こんにゃくは幅1cmに切り、包丁で袋状になるように切り込みを入れ、下ゆでをして水気をきる。鍋にだし、醤油、砂糖を入れて煮立て、こんにゃくを入れて5分ほど弱火で煮てそのまま冷まし、汁気をきる。

こんにゃく煮をつくる
こんにゃくは酢飯を入れられるように切り込みを入れ、下ゆでしてから薄めの味つけで煮ておきます。

3はす芋の甘酢漬けをつくる

はす芋は長さ4cmに切って皮をむき、切り離さないように縦に切り込みを入れて塩少々(分量外)をふってもむ。熱湯で2分ほどゆでて冷水にとり、水気を絞る。だし、酢、砂糖、塩を合わせた甘酢に浸して10分ほどおき、汁気を絞る。

はす芋の甘酢漬けをつくる
はす芋は緑の皮の部分をむいて甘酢漬けにします。シャキシャキとした食感が酢飯によく合います。

4みょうがの甘酢漬けをつくる

みょうがは1枚ずつはがし、塩少々(分量外)を入れた熱湯にさっとくぐらせる。酢、砂糖、塩を混ぜた甘酢に浸し、ラップで液面をおおい、冷めるまでおいてきれいに発色させ、汁気をきる。

みょうがの甘酢漬けをつくる
みょうがは1枚ずつはがして甘酢漬けに。残った軸の部分も一緒に下ゆでして漬けておき、箸休めなどに。

5握る

酢飯を18等分にしてやや細長く丸める。こんにゃく、はす芋は酢飯にかぶせるようにして握る。みょうがは2枚ずらして重ね、酢飯にかぶせるようにして握る。なすときゅうりの漬物は酢飯の上にのせ、なすには青じそ、きゅうりには海苔を巻く。高菜の古漬けは広げ、酢飯をのせて包む。それぞれ3個ずつつくる。

こんにゃく
こんにゃくの切り込みに酢飯を少し詰めるようにし、上下を返して形を整えます。
高菜漬
高菜漬は広げ、酢飯をのせて包みます。大きい葉は半分に切って使ってください。

6器に盛る

器に彩りよく盛り合わせる。

盛りつけ
はす芋は「りゅうきゅう」ともいって高知県の特産。土佐田舎寿司には欠かせない種。食感が楽しいこんにゃく寿司も必須です。

教える人

重信初江

重信初江 料理研究家

料理研究家のアシスタントを経て独立し、雑誌やテレビ等で活躍中。身近な食材を使った再現性の高いレシピに定評がある。旅行好きで韓国、台湾など旅先で出合った味をアレンジしたレシピも得意。『遅夜スープ』『漬けておくだけで、おいしい一品 漬けものレシピ』など著書多数。

文:松原京子、撮影:木村 拓、長野陽一(プロフィール写真)

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松原 京子

松原 京子 (フードエディター&ライター)

食をメインとした雑誌や料理の書籍などで企画・編集・執筆を手がける。この業界に入って早うん十年、やれ試食だ試作だ、新しい店ができたんだって、この店の味は残さなきゃ、と外食を続けているうちに体重が増え続け、20代の頃の倍の重さに!(本当に倍の数字です)。一口じゃおいしさなんてわからない、全部食べてこそ真意がわかると思っている。家では真っ当な調味料と安全な食材でつくるシンプルな料理を心がける。